1.SNS疲れとは何か?
昨今、スマートフォンやパソコンを使ったSNS利用は私たちの生活に深く根付いています。InstagramやTwitter(現:X)、TikTokなど、日々の出来事を共有したり情報を得たりする手段として欠かせない存在です。しかし、便利さと引き換えに、“SNS疲れ”と呼ばれる新たなストレスを抱える人が増えているのも事実です。
SNS疲れとは、SNSの閲覧や投稿、コミュニケーションを続けるうちに心身が疲弊してしまう状態を指します。たとえば、「投稿への“いいね”の数が気になる」「SNS上の他人の華やかな生活と比較して落ち込む」「通知が気になって勉強や仕事が手につかない」などのストレスを抱えているなら、SNS疲れのサインが出始めているかもしれません。
2.SNS疲れが引き起こす問題点
1)自己評価の低下
人間は比較によって自分の立ち位置を確認することが多い生き物です。心理学の観点から言うと、SNSでは多くの人が「良い部分」や「成功体験」だけを切り取って投稿する傾向があります。そのため、他人と比較してしまい、「自分にはこんなにいいことがない」「自分は劣っているのではないか」とネガティブに考え、自己肯定感が下がりやすくなります。
2)時間管理の崩壊
SNSをダラダラと眺める時間が長くなると、気づけば1時間、2時間とあっという間に経ってしまうことも。やるべき勉強や仕事が後回しになり、生活リズムの乱れや睡眠不足につながります。睡眠不足は疲労感や集中力の低下を引き起こし、負のスパイラルに陥りやすくなります。
3)コミュニケーションの摩擦
ネット上では文章や画像だけでやり取りすることが多く、意図が正しく伝わらないこともあります。さらに、特定のグループチャットでの会話に気を使い過ぎたり、既読スルーやコメントへの返信を強く意識し過ぎたりすると、心労が重なり精神的負担になります。
3.SNS疲れを解消するためのシンプルな3ステップ
ステップ1:使用時間を“見える化”する
まずは自分がSNSに費やしている時間を客観視してみましょう。
- スマホの画面時間をチェック
iPhoneやAndroidには、1日にどれだけアプリを使用しているかを自動的に記録する機能があります。それを見れば、「意外と長時間使っていた」という発見があるはずです。 - 1日のスケジュールにSNS利用の枠を組み込む
勉強や家事、仕事などを何時から何時まで行うかを決めておくと、SNSに割く時間を自然にコントロールしやすくなります。
ステップ2:通知のオフと短期デジタルデトックス
SNS疲れの主な原因に、絶え間なく届く通知があります。プッシュ通知をオフにすることで、自分の意志でSNSを開く頻度を減らせます。また、週末だけSNSを開かない「短期デジタルデトックス」を試してみるのも効果的です。たとえば、土日の午前中はスマホの電源をオフにして、ゆっくり読書や散歩をするだけでもリラックスできます。
ステップ3:新しい興味・習慣の開拓
SNSを見る時間を減らしても、代わりに熱中できるものがないと結局またスマホに手が伸びてしまいがちです。そこで、少しでも興味を持てる趣味や学びの機会を増やすことが重要です。スポーツや楽器演奏、手芸、料理など何でも構いません。自分のペースで取り組めるアクティビティを見つけることで、SNSの世界から自然と距離を置くことができます。
4.まとめ
SNS疲れは現代社会に生きる多くの人が抱える問題です。しかし、その主な原因を理解し、シンプルな3ステップを実践するだけで、心の負担は軽くなります。「使用時間の見える化」「通知のオフと短期デジタルデトックス」「新しい興味の開拓」という方法は、誰にでも始めやすく、持続可能です。小さな一歩から始めて、徐々にSNSとの健全な関係を築いていきましょう。
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