1.なぜSNSを見ると不安になるのか
SNS上では多くの人が「ポジティブな瞬間」や「華やかな出来事」を投稿します。一方、自分の生活を見て「何も特別なことがない」「負けている気がする」と感じることで、不安や焦りが高まりやすいのです。これを心理学では「社会的比較理論」と呼びます。自分と他人を比べる過程で、しばしば自分に対してネガティブな評価を下してしまいがちです。
2.SNS疲れが生むメンタル面への影響
1)FOMO(Fear Of Missing Out)への陥り
SNSでは常に新しい情報や面白い出来事が流れています。そのため、「情報に追いつけないのでは?」という不安、つまりFOMOが強まります。友人が盛り上がっているイベントに参加できていないというだけで、置いて行かれた気持ちになることもあるでしょう。
2)SNS中毒による欲求コントロールの低下
SNSを開くクセがつきすぎて、自分が今何を求めているのかが見えづらくなります。ちょっと寂しい気持ちや退屈を感じた瞬間に、SNSを開いてしまう。長期的にみると、心が本当に欲しているリラックスや人との直接的な関わりを後回しにし、SNSに依存してしまうのです。
3)人間関係のストレス
SNSを介したやり取りでは、感情のニュアンスを細やかに伝えにくく、誤解を生むこともしばしば。また、見えない相手の反応が気になり、メッセージを送ったのに返事が遅いと「嫌われているのでは?」と焦りや不安を抱えてしまいます。
3.不安から抜け出すメンタルコーチング
ステップ1:セルフモニタリング
自分がSNSを使うタイミングや気持ちを記録し、振り返る習慣をつけましょう。「寂しいときにSNSを見る」「暇なときはすぐSNSを開く」など、自分のメンタルと行動パターンを客観視することが第一歩です。ノートやスマホのメモなど、方法は何でも構いません。
ステップ2:ポジティブ自己対話(セルフ・トーク)の習慣化
心理学では、ポジティブに自己対話を行うことで自尊感情を高められることが知られています。たとえば、SNSで「他人がうらやましい」と感じたときには、「私にだっていいところがあるはず」と言い換える練習をしてみるのもおすすめです。
ステップ3:SNS依存から離れる実践
スマホのホーム画面にSNSアプリを置かずに隠す、通知をオフにするなど、物理的・環境的にアプリを開きにくい工夫をしましょう。週末に数時間でもデジタルデトックスの時間を作り、ウォーキングや料理、読書など別のアクティビティを楽しむことで心のリセットができます。
4.まとめ
SNS疲れの裏側には心理的な要因が大きく関係しています。FOMOや社会的比較理論などを理解すると、SNSで生じる不安やストレスに気づきやすくなるでしょう。メンタルコーチングのステップを取り入れて自分の心の状態を見つめ直すことで、SNSに振り回される日々から卒業できます。大切なのは、自分の心としっかり向き合いつつ、SNSをうまく活用していくことです。
コメント